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2020年3月

2020年3月15日 (日)

『大阪弁おもしろ草子』「そやないかいな」を読んで その13

小説で書くといえば、「か」も困ったものである。

上方の女の子が、「そうか」というときの「か」の軽さ、やわらかさ、これは文字では出ない。「そうか」と書いたのでは男言葉である。(p.51)

 

この感覚は、優れた田辺氏の作家としての感性に基づくものであり、極めて重要な内省である。

そして、この感覚は私は持ち合わせていない。

 

というのも、そういった柔らかい「か」を使う女性が、今現在周りにいないので、観察しようがないのである。

昔を思い出しようにも、女性語というのは全く内省はきかないので。おそらく軽微な曲線上昇調なのだが。

 

実際のデータがあれば。かといって、この時期に調査に出かけるわけにもいかず。

また、ただ大阪の女性というだけでは条件不足で、ある程度しゃべってみて、観察しないとどうしようもない。

 

ということで、「せえへんか」「ほんまに知らんのんか」の「か」については、いずれ補遺として改めて書きたい。

文脈が分かる音声データを入手でき次第ということで。

 

「か」から「かい」になると、これは劃然と男性語(p.51)という指摘は、素直には首肯できない。

確かに、どちらに重きを置くかなら男だが、劃然というほど明確ではないように感じている。

ただ、「誰が行くかい」という反語表現を発する女性がいても違和感はない。

そういうやつなんだと思うだけのことなので。

 

「かいな」は男女共用(p.51)は、素直に首肯できる。

ただ、私は使うけど、だいぶ古くささを感じるので、引越しのサカイの「ほんまかいな、そうかいな」も今の若者は言わないのでは。

 

「そこにあるやないかいな」「そこにあるやんかいな」がごく普通に使われている(p.52)のは、私は理解はできる。

ただ、さすがにもう使っていない。若い世代にとっては、かなり古くさい言い回しのような気がする。

 

さて、この系列として「がな」が触れられている(p.52)が、かなり性質が異なる。

「これやがな」は断定の度合いが強く、田辺氏の指摘通り、飄逸味はなく野暮ったい。

 

そして、これも若い世代に敬遠されそう。

私は頻度は少ないものの使っているが。

 

 

「せえへんか」のアクセントは、HLLL+R。

「ほんまに知らんのんか」は、LLLL HLLLL+R。

 

「誰が行くかい」は、HHH HHHL。

 

「そこにあるやないかいな」は、LHL LHLLLMLL。

「そこにあるやんかいな」は、LHL LHLLHLL。

 

「これやがな」は、HHLLL。

 

 

その14につづく。

 

 

 

 

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