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2020年2月

2020年2月29日 (土)

『大阪弁おもしろ草子』「そやないかいな」を読んで その12

撥音について、「てん」と「てン(ンは小文字で)」の使い分けに言及されている。(p.50)

口吻を伝えるには、この違いは必要だという主張である。

 

作家ならではの表記である。

科学者だと機能面を優先してしまうので、そういった発想になりにくい。

 

カタカナや小文字によって、軽めのニュアンスを伝えようとしている。

感情的機能を表現するには向いている。

 

規範的にはならず、個別的な判断になるだろうが、創作者は試みたらと思う。

 

 

その13につづく。

 

 

 

 

 

 

2020年2月21日 (金)

『大阪弁おもしろ草子』「そやないかいな」を読んで その11

私の個人的嗜好で申せば、大阪弁を紙上に定着させるときは、字面の感じへの配慮があらまほしい。

耳で聞いた通りに表記すると汚い。<大阪弁 字でよむときは目が疲れ>という川柳があるが、それは書くほうの配慮が足らぬのである。(p.50)

 

作家が言うからこそ説得力がある。

大抵の方言は文字化すると違和感があるものだが、それは共通語で見たことがない語形というだけの問題ではない。

 

アイウエオといった母音が、共通語と一致しない時はなおさら違和感がある。

サ行をシャ行でしか言えなくても、それはシャシュショで示せばいいだけだが、エだけどイとなると厄介。

 

東京弁でも、かつては「灰」「蝿」はともに「ハイ」であった。

文字通りに話さないというのは、どの言語にも通じる普遍的真実である。

 

文字表記は規範的に学んでいくので、異論を許さない面が大きい。

また、言語史を知るための連続性を捉えるために、現代に合わせきった大きな改変もできない。

 

とはいえ、大阪弁なら規範がない以上、模索してみるのは重要である。

どれが母方言話者にしっくりするのかは、ああだこうだ言い合うのが、それこそあらまほしい。

 

ここから私見だが、長音についてはひらがなでも、カタカナでも、「ー」の棒引きでかまわないと思っている。

今はやりの「あぁ」の小文字タイプは、末尾が弱まる時には有効だと思える。

 

落胆やつぶやきなどの時は「あぁ」でいい。叫びや通常の時は「あー」でいい。

やぼったい言い方なら「~でー」、軽めの時なら「~でぇ」がいい。

 

基本的に「お母さん」は「おかーさん」、「お父さん」は「おとーさん」でいいと思っている。

ここで書いたところで規範を変えるまでの影響力はないが、少なくともオ段長音の「う」か「お」かのめんどくささからは逃れられる。

 

また、「おとうさん」の「う」が規範臭い。

だから、方言表記の場合、一貫して長音を「ー」としておく方が、悩みなく読める。

 

できるだけ字面通りにその方言を伝えるためには、そのほうがいいと思っている。

 

 

 

 

その12につづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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