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2020年1月14日 (火)

『大阪弁おもしろ草子』「そやないかいな」を読んで その10

「で」から「でんわ」「でっせ」(p.49)とあるが、前者は分からないが、後者はつながらない。

少なくとも、後者は「です」なので。

 

「言うといたで」は言えても、「言うといたでっせ」は無理である。

名詞終わりでないのに、でっせは言えないので。だから、単純にはつながらない。

 

「でんわ」は内省できないと前回も書いた。

青空文庫で「でんわ」で検索したら、「電話」が大量にヒットして困った。

 

その中で、谷崎潤一郎『細雪』で2例ヒットした。

「あの話、あかなんでんわ」「あんじょう通じてえへなんでんわ。」

 

前者の「あかなん」は「あかんかった=だめだった」。

「なん」で打消しだが、連体形で「でん」に接続したとしたら、「です」に通じる。

 

あるいは、「だ」の異形態に「ん」がついた形か。

それなら、「で」からと考えられる。

 

後者の「通じてえへなん 」は「てえへなん>てなん」という「エヘ」の脱落前の形。

末尾の「なん」は同じなので、解釈も同じ。

 

直感的には「ですわ」に近いのだが、古くさいという感覚をこえて受け入れられない。

理解表現にもならないというのが私の内省である。

 

「て」から「てん」「てんわ」(p.49)とも記されている。

こちらの「てんわ」も内省がきかない。

 

久生十蘭『金狼』に以下の用例がヒットした。

辛かってんわ」

 

「つらかってん」まではすんなり受け入れられるが、そこに「わ」が足されるとよく分からない。

若干の主張が加わったのか。

 

「てんわ」「でんわ」で、てんやわんやである。

 

 

 

 

「言うといたで」のアクセントは、HHHLLL。

 

「あの話」は、HH HLL。

「あかなんでんわ」は、HHLLLLL。

 

「あんじょう」は、LLHL。

「通じてえへなんでんわ。」は、LLLHLLLLLLL。

「通じてなんで」は、LLLHLLL。

 

「辛かってんわ」は、HHLLLLL。

 

 

 

その11につづく。

 

 

 

 

 

 

 

 

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