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2019年4月

2019年4月22日 (月)

『大阪弁おもしろ草子』「ちちくる」を読んで その5

「てかけ(p.32)」というのは、今さらながらすごい直接的やなと。

「めかけ」の「目をかける」をこえて、「手をかける」からなので。

 

「そばめ(p.32)」は知らない語彙であったが、これはそばに置く女ということだろう。

そばというのが、時代がかっている。側室感が強く、そばに置くというのは、今どきありえない関係であろう。

 

著者は、「てかけ」に対する「厚顔さを憎む(p.32)」に対して、「そばめ」に対する「べつに引っかからない(p.32)」という所感である。

直接的ではないからか、時代小説で慣れてしまっているからか。

 

目をかけてそばに置き、手をかけるが、妥当な順番なのか。

あるいは、目をかけて手をかけたから、そばに置いたのか。

 

女性に対するこういう語彙は、今の時代ではどんどん使えなくなる。

でも、辞典に残さなければ、過去の話は分からなくなる。

 

使用語彙でなくても、理解語彙であればいい。

昔の話を読むためには、こういう語彙も知っておく必要はある。

 

『大阪弁ちゃらんぽらん』の時にも出てきた、妊婦を「ぼてれん(p.33)」というのもそう。

擬態語からのストレートな表現。語形成としては自然なので、言語学的観点からは受け入れざるを得ない。

 

私の子供のころには、「ぼてれん」は使わず、「はらぼて」だった。

昭和50年代では、ごく普通に使っていた。私の中ではいつの間にか使わなくなっていた。

 

今の大阪で使われているかどうかは、20年以上離れているので実態は知らない。

まあ、公の場で使われていないのは昔からそうなので、若者にとってはきっと死語だろう。

 

 

 

「てかけ」のアクセントは、LLH(~HHH)。

「めかけ」は、HHH。

「そばめ」は、LLH。

 

「ぼてれん」は、LLHH。

「はらぼて」は、LLLH。

 

その6につづく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年4月 2日 (火)

『大阪弁おもしろ草子』「ちちくる」を読んで その4

「げんくそ悪い(p.31)」は、「げんをかつぐ」の「げん」なんだろうが、使わない。

「げんが悪い」「げんがええ」も、私の中では、理解表現ではあるが、使用表現ではない。

 

「げん直し」は、使おうと思えば使えるという程度か。

周りが大阪弁で、ある程度の年齢の人たちであれば、口から出てくるかもしれない。

 

ただ、大人の付き合いで出てくる言葉で、子ども相手にいう言葉じゃない気がする。

また、これは大阪弁に特化している気がしない。大辞林の見出し語にあるし、特に方言と書かれていないし。

 

世界大百科事典だと、漁師用語となっている。

大阪発のことばではないというのがあっている気がしてならない。

 

「げん」は「縁起」の音位反転という説があるが、概ねあっている気がする。

「宿」から「ドヤ」、「はまぐり」から「ぐれはま」で「ぐれる」といったようなものだろう。

 

「縁起もんや」の意味での「げんのもんや(p.31)」も使ってないし、もらってない。

だるまも招き猫もうちにはなく、節句もちゃんと流行ってないし。

 

えべっさんは、大阪を離れてからすっかりご無沙汰やし。

福笹でもうちに置いとこうか。ただ、商売っ気がない私に、商売繁盛は縁がないような気がする。

 

 

「げん」のアクセントは、LH。

「げんくそ悪い」は、LLLH HLL。

「げんをかつぐ」は、LLH HHH。

「げんが悪い」は、LLH HLL。

「げんがええ」は、LLH LH。

「げん直し」は、LLHLL。

「げんのもん」は、LLLHL。

 

「宿」は、LH。「ドヤ」は、LH。

「はまぐり」は、LHLL。「ぐれはま」は、LLLH。「ぐれる」は、LLH。

 

「縁起」は、LLH。「縁起もん」は、LLLLH。

「えべっさん」は、HHHHH。「福笹」は、LLHH。

 

 

その5につづく。

 

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