« 『大阪弁おもしろ草子』「よういわんわ」を読んで その4 | トップページ | 『大阪弁おもしろ草子』「ちちくる」を読んで その1 »

2019年1月 6日 (日)

『大阪弁おもしろ草子』「よういわんわ」を読んで 補遺

「よういわんわ」の話は、尾上圭介『大阪ことば学』(1999、創元社)にもとりあげられている。
ここでの記述に対して、私の内省では若干変わってくるので、所感を示しておくことにする。

「よう行かん」が能力不可能、「行かれへん」が状況不可能という区分に、基本的には同意する。
ただ、私の内省では、後者はどちらにでも使えるようになっている。

p.87の例で考えてみると、「そんなこと、よう行かんわ」は、「そんな遠いとこへ呼びつけるなや。行けるかいな。」という状況不可能では使えず、「行かれへんわ」の方が自然である。

「自分の体力、気力が足りなくて行けない」という能力不可能では、「よう行かん」でも「行かれへん」でも、どっちでもいい。
ただ、この場合、「よう行かん」はかなりしんどい時である。

ついで、p.91からについてだが、「よう」の否定形として「よう行かん」「よう行かへん」「よう行けへん」の3つがあるという。
私は、「行かん」「行かへん」「行けへん」はそれぞれ単独なら使える。

しかし、「よう」の後という条件では、「行かへん」は若干違和感あり、「行けへん」はかなり違和感がある。
また、私にとって「よう行かへん」「よう行けへん」は使用語彙ではない。

「行かん」と「行かへん」には、動作主の人称の違いがあるという。
前者はどの人称でも使えるが、後者は2,3人称でしか使えず、1人称では使われないとのこと。

私の内省では、「あいつ、よう行かへん」は、理解語彙としては若干の違和感がある。
使用語彙としては、「行かれへん」の方が自然である。

そして、この人称の区別は若い人の間ではくずれているようで(p.93)、昭和20年代後半生まれから30年代前半生まれまでの世代で変化があったとのこと。この著書での若い人に私は該当している。

それでも、私は使わない。「ぼく、よう行かへん」は、自分で使うとなると、結構気持ち悪い。
「ぼく、よう行けへん」だと、大阪弁じゃない気がしてくる。



「よう行かん」のアクセントは、HH HHH。
「行かれへん」は、HHHLL。
「行かへん」「行けへん」は、共にHLLL。



« 『大阪弁おもしろ草子』「よういわんわ」を読んで その4 | トップページ | 『大阪弁おもしろ草子』「ちちくる」を読んで その1 »

ことば」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『大阪弁おもしろ草子』「よういわんわ」を読んで 補遺:

« 『大阪弁おもしろ草子』「よういわんわ」を読んで その4 | トップページ | 『大阪弁おもしろ草子』「ちちくる」を読んで その1 »

フォト
無料ブログはココログ

人気ブログランキング

2019年2月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28