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2019年1月

2019年1月28日 (月)

『大阪弁おもしろ草子』「ちちくる」を読んで その1

ちちくる ―上方弁の淫風 pp.23-39

 

 

野菜などの食べもんに「お」をつける話は、以前にも書いた。

 

私の内省で使うものと使わないものがある。大阪弁として言うかどうかではなく、私が言うかどうかの話。

 

 

 

 

 

 

 

大根の「おだい」や菜っ葉の「お菜さん」は私は使わない。

 

豆を「豆さん」とは言いにくく、「お豆」なら言える。「お豆さん」が言えるのは、フジッコの影響かもしれない。

 

 

 

かき餅の「おかき」は言えるけど、饅頭の「おまん」は言わない。餅の「おもち」は言える。

 

汁の「おつゆ」は言える。味噌汁も「おしる」。「お味噌のおつゆ」は冗長過ぎて言わない。

 

 

 

粥は「おかいさん」も「おかい」も言える。雑炊の「おみい」は言わない。

 

油揚げは「おあげさん」「あげさん」とは言うが、「おあげ」は言わない。

 

 

 

芋が「おいも」、なすびが「おなす」はそれぞれ言える。

 

じゃがいもでも、さつまいもでも、さといもでも「おいも」。山芋はさすがに「おいも」ではない。

 

 

 

野菜は他に思いつかない。本文p.24にもあるように、きゅうりを「おきゅう」、ごぼうを「ごぼうさん」とは言わない。

 

「にんじんさん」「さんしょうさん」「しいたけさん」「ごぼうさん」「れんこんさん」だと『おべんとうばこのうた』になってしまう。

 

 

 

しかし、地味な弁当である。茶色ベースの弁当って、昔のおばあちゃんというイメージがぬぐえない。

 

最近は、山椒がさくらんぼになったようである。それはそれで、バランスが悪い。

 

 

 

閑話休題。キャベツやレタスやトマトは外来語だから、「お」も「さん」も違和感あり。

 

「おレタス」なんてのを聞いてしまうと、喜劇に出てくる貴婦人のように感じる。

 

 

 

南瓜(かぼちゃ)やほうれん草は、漢語だからやはり「お」や「さん」には違和感がある。

 

「おなんきん」や「おほうれんそう」は長すぎて語呂が悪い。「お白菜」も、かなり変な感じ。

 

 

 

かぶを「おかぶ」、たまねぎを「おたま」とは言わない。

 

「おたまねぎ」は無理だが、ねぎの「おねぎ」は言える。

 

 

 

漬物の「おこうこ」も私は言わない。「香々」の縮まった形だが、使わない。

 

単純に「つけもん」というか、洒落たとこでは「香の物」。「おこう」だと、焚くものになってしまう。

 

 

 

豆腐の「おとうふ」は普通に言えるが、「おとふゥ」にはならない。

 

「サンザカ>サザンカ」のような音位転換は、私の内省では起こさない。

 

 

 



 

 

 



「ちちくる」のアクセントは、HHHL。

 

 

 

「大根」は、HLLL。「おだい」はよく分からないが、私が発するとすれば、LHL。

 

「菜っ葉」は、LLH。「お菜さん」は、LHLL。

 

 

 

「豆」は、LH。「お豆」は、LHL。

 

「豆さん」は、LHLL。「お豆さん」は、LHLLL。

 

 

 

「かき餅」は、LHLL。「おかき」は、LHL。

 

「饅頭」は、HLLL。「おまん」は、LHL。

 

「餅」は、HH。「おもち」は、LLH。

 

 

 

「粥」は、LH。「おかいさん」は、LLLLH。「おかい」は、LLH。

 

「雑炊」は、LLLH。「おみい」は、LHH。

 

「油揚げ」は、HHHLL。「おあげさん」は、LLLLH。

 

「あげさん」は、HHHH。「おあげ」は、LLH。

 

 

 

「芋」は、HL。「おいも」は、LLH。

 

「じゃがいも」は、LLLH。「さつまいも」は、HHHLL。「さといも」は、HHHH。「山芋」は、HHHH。

 

 

 

「なす」は、HL。「なすび」は、LHL。「おなす」は、LHL。

 

「きゅうり」は、HLL。「おきゅう」と言うなら、LLH。

 

「ごぼう」は、HHH。「ごぼうさん」は、HHHHH。

 

 

 

「にんじん」は、LLLH。「にんじんさん」は、LLLLLH。

 

「山椒」は、HHH。「さんしょう」は、HHHH。「さんしょうさん」は、HHHHHH。

 

「しいたけ」は、HLLL。「しいたけさん」は、HLLLLL。

 

「れんこん」は、HHHH。「れんこんさん」は、HHHHHH。

 

 

 

「さくらんぼ」は、LLHLL.。

 

 

 

「キャベツ」は、HLL。「レタス」は、HLL。「トマト」は、LHL。「おレタス」なら、LHLL。

 

「なんきん」は、HHHL。「かぼちゃ」は、HHH。「ほうれんそう」は、HHHHHH。

 

「おなんきん」なら、LHLLL。「おほうれんそう」は、LHHHHHH。

 

「白菜」は、HLLL。「お白菜」なら、LHLLL。

 

 

 

「かぶ」は、HH。「おかぶ」は、LLH。

 

「たまねぎ」は、LLHL。「おたま」は、LHL。「おたまねぎ」は、LLLHL。

 

「ねぎ」は、LH。「おねぎ」は、LHL。

 

 

 

「つけもの(つけもん)」は、LLLH。「おこうこ」は、LLLH。

 

「香々」は、LLLH。「香の物」は、LLLHL。「おこう」は、LLH。

 

 

 

「豆腐」は、LLH。「お豆腐」は、LLLH。「おとふゥ」は、LLLH。

 



 

 

 

その2につづく。

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年1月 6日 (日)

『大阪弁おもしろ草子』「よういわんわ」を読んで 補遺

「よういわんわ」の話は、尾上圭介『大阪ことば学』(1999、創元社)にもとりあげられている。
ここでの記述に対して、私の内省では若干変わってくるので、所感を示しておくことにする。

「よう行かん」が能力不可能、「行かれへん」が状況不可能という区分に、基本的には同意する。
ただ、私の内省では、後者はどちらにでも使えるようになっている。

p.87の例で考えてみると、「そんなこと、よう行かんわ」は、「そんな遠いとこへ呼びつけるなや。行けるかいな。」という状況不可能では使えず、「行かれへんわ」の方が自然である。

「自分の体力、気力が足りなくて行けない」という能力不可能では、「よう行かん」でも「行かれへん」でも、どっちでもいい。
ただ、この場合、「よう行かん」はかなりしんどい時である。

ついで、p.91からについてだが、「よう」の否定形として「よう行かん」「よう行かへん」「よう行けへん」の3つがあるという。
私は、「行かん」「行かへん」「行けへん」はそれぞれ単独なら使える。

しかし、「よう」の後という条件では、「行かへん」は若干違和感あり、「行けへん」はかなり違和感がある。
また、私にとって「よう行かへん」「よう行けへん」は使用語彙ではない。

「行かん」と「行かへん」には、動作主の人称の違いがあるという。
前者はどの人称でも使えるが、後者は2,3人称でしか使えず、1人称では使われないとのこと。

私の内省では、「あいつ、よう行かへん」は、理解語彙としては若干の違和感がある。
使用語彙としては、「行かれへん」の方が自然である。

そして、この人称の区別は若い人の間ではくずれているようで(p.93)、昭和20年代後半生まれから30年代前半生まれまでの世代で変化があったとのこと。この著書での若い人に私は該当している。

それでも、私は使わない。「ぼく、よう行かへん」は、自分で使うとなると、結構気持ち悪い。
「ぼく、よう行けへん」だと、大阪弁じゃない気がしてくる。



「よう行かん」のアクセントは、HH HHH。
「行かれへん」は、HHHLL。
「行かへん」「行けへん」は、共にHLLL。



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