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2018年11月

2018年11月 2日 (金)

『大阪弁おもしろ草子』「よういわんわ」を読んで その3

「去ぬ(いぬ)」という古語は大阪では日常次元で使っているので、古語とは思えない(p.10)とあるが、私は既に古語のように感じている。
聞いたことがないとは言わないが、私の世代ではないと感じている。

「去のか? ぼちぼち」
「うん」(p.11)

「去ぬ」は若い人たちも使う(p.10)とあるが、少なくとも私は使わない。
田辺さんにとっての若い人たちに、私は該当しないようである。

田辺さんが昭和20年代に卸問屋の事務員をなさっていた頃の会話として、以下の例が挙げられている。
この頃の若い人たちは、すでに70代で私の親の世代となる。

外回りの販売員が帰ってきて、
「今日は黒犬のケツや。どこも『去ね去ね!』いいよる」
とクサったりしていた。去ぬ、を命令形でいうと去ね、であるが、景気が悪くて売り足が落ちると、小売屋も注文どころではなく、問屋の若い衆を見ると「去ね去ね」と追い返すのである。(p.11)

学生にはナ行変格活用の話をする時に、「死ぬ、去ぬ、往ぬ(いぬ)」の例を挙げる。
共通語では死ぬ以外は死語に近く、学生世代では明らかな死語である。

だから、とっさに活用形が出てこない学生がいる。
ただ、これは内省できなくても規則が分かっていれば、機械的に出てくるはずなんだが。

「黒犬のケツ」は、犬のケツにはしっぽが生えていることを想像すればよい。
黒い犬のしっぽは黒いから、白くない。だから、尾も白くない(=面白くない)ということ。

白犬は尾も白いの反対語である。
私の姉は便秘ですというくだらない話と比べて、どっちがおもろいのだろうか。



「去ぬ」のアクセントは、HH。
「去ね」は、HL。

「ぼちぼち」は、LLHL。

「黒犬」は、LLLH。「白犬」も、LLLH。「黒犬の」は、LLLLH。
「ケツ」は、HL。

「おもしろい」は、HHHLL。
「おもしろくない」は、HHHHL LH。
「おもろい」は、HHLL。
「おもろない」は、HHHLL。





その2につづく。






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