« 2018年8月 | トップページ

2018年9月

2018年9月10日 (月)

『大阪弁おもしろ草子』「よういわんわ」を読んで

「よういわんわ ―古語について」pp.7-22

過疎ブログ久しぶりの更新で、『大阪弁おもしろ草子』シリーズに突入。
こちらは更新頻度が遅いので、このシリーズは何年かかって完結するのか。

拙速に書評を書くよりはのんびり読めるのがいい。
研究論文から大阪弁を眺めるのではなく、時代背景を追いながら違いを捉えていけるのがいい。

仕事ではないので〆切にも追われず。
でも、巡り巡って、自身に役立つ知識を提供してもらっている。

では、本題に。


上方弁に古語が残っているというのはよくいわれるが、どんどん標準語、あるいは共通語に変わっていってしまい、典雅な古語が死語になっていくのは寂しい。(p.7)


「うたて」が東北にも残っている(p.7)という話が冒頭にあるが、これは当然のこと。
古語は周辺に残るというのが、言語地理学における所見の1つ。

地域の中心部から新しい言葉が生まれる。
それが周囲に広がった頃に、中心部はまた新しい言葉を生み出している。

だから、中心部は古語が残ることがないわけではないが、失われることの方が多い。
そういう意味では、寂しさを感じない生き方がその地の必然なのかもしれない。

ユニバーサルスタジオジャパンが大阪にできた時、東京をはじめ多くの地方は頭文字語の「USJ」。
一方で、近畿一円は「ユニバ」とちゃんと日本語化させ、アクセントは「マクド」と同じでLHL。

昔なら周囲がユニバに浸食されていくものなのだが、今は東京中心なのでUSJが全国に広がる。
発信地が2か所の場合には、より中心である方が全国への影響力が高いことが分かる。

よって、大阪弁に共通語の流入は避けられない状況だが、その割には維持している表現はそれなりにあるし、今だ新語を発信しようとしている姿勢がいい。そして、生み出し続けることに疲れてたまに共通語に頼るというのもちょうどいい。

東京に方言が流入した場合は、大抵の場合用法を簡略化する。
群馬・長野や北九州の「あーね」や近畿の「それな」などはそう感じる。

「あーね」は若者言葉としては軽い相槌程度でしか使われないが、もともとは納得、理解、同意(それぞれ強弱の程度あり)、無関心といった多様な用法があるが、共通語化されるとその多様性は失われる。

流入して新たな意味が加えられる場合もあるが、「あーね」には今のところ見られない。
だから、理解や同意を示す時に、「それな」という異なる方言語形を用いている。

失っていく言葉もあれば、他の地域で残っている言葉もある。
そして、大阪弁は今なお新語を発信する気概を持っている。

それが典雅かどうかは抜きにして。





「うたて」のアクセントは、HHH。

「ユニバーサル」は、LLHLLL。
「スタジオ」は、HHHH。
「ジャパン」は、LHL。
「ユニバーサルスタジオ」は、LLHHHH HLLL。
「ユニバーサルスタジオジャパン」は、LLHHHH HHHH HLL~LLHHHH HLLL LHL。

「ユニバ」は、LHL。
「マクド」はLHL。

「あーね」は、理解語彙としてHHH。
「それな」は、HHH。




その2につづく。



Pb280151_3




« 2018年8月 | トップページ

フォト
無料ブログはココログ

人気ブログランキング

2018年9月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30