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2018年5月

2018年5月 4日 (金)

『大阪弁ちゃらんぽらん』「てんか」を読んで その5

男「あいつ、女房(よめはん)居るねんで。知らんねんな」
女「知ってるわいな。知ってるけど、惚れたんやからしょうないやないかいな、ほっといてんか」(p.226)


その4で紹介した言い回しだが、この会話を共通語に訳せと言われると厄介である。
「よめはん」は、大阪弁では普通の言い方。自身の息子に嫁いだ女性の意味ではなく、自身に嫁いだ女性を指す。

「居るねんで」は「居んねんで」の方が、より自然である。「いるんだよ」が近いか。
「知らんねんな」は「知らないんですね」とでも訳しておく。この「な」は確認要求か。

「知ってるわいな」の「わいな」は強調だが、訳しにくい。「当然知ってます」としておく。
「しょうない」は「しようがない」。私は「しゃあない」だが、そこは置いとく。

「やない」は素直に「ではない>じゃない」。
「かいな」は難しい。「かい」は「か」なので、この文脈だと「ですか」となる。この文脈では感嘆は感じとれない。

「ほっといてんか」は「放っておいてもらえ(あるいは、くれ)ませんか」。
以上をふまえた直訳は以下の通りになる。


男「彼、妻がいるんですよ。知らないんですね。」
女「当然知っています。知っているのですが、惚れたのですからしようがないじゃないですか。放っておいてもらえませんか。」


素直な感覚として、共通語に訳すと、空々しい会話になってしまい、下衆の勘繰りという感じも薄まる。
そして、ほんまに放っといてやるほうがええかもしらんと思ってしまう。


今回は共通語に訳した文の大阪弁アクセントを。


「彼」のアクセントは、HL。
「妻」は、HL。「妻が」は、HLL。
「いる」は、HH。「いるんです」は、HHLLL。「いるんですよ」は、HHLLLL。(文末に強調型上昇調がかかることも)
「知る」は、HH。「知らない」は、HHLL。「知らないんですね」は、HHLLLLLL。(文末に強調型上昇調がかかることも)

「当然」は、HHHH。
「知っています」は、LLLHHH。

「知っている」は、LLLHH。
「知っているのですが」は、LLLHHHLLH。(文末に強調型上昇調がかかることも)
「惚れたのですから」は、HLLLLLLL。
「しょうがない」は、HHHHLH。「しようがないじゃ」は、HHHHLLL。
「ないですか」は、LHLLL。

「放る」は、HHH。「放って」は、HHHH。「放っておいて」は、HHHHHLL。
「もらえません」は、HHHHHH。「もらえませんか」は、HHHHHHH。
「放っておいてもらえませんか」は、HHHHHHHHHHHHHH。(文末に強調型上昇調がかかることも)


その6につづく。



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