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2017年11月 4日 (土)

『大阪弁ちゃらんぽらん』「タコツル」を読んで その4

この章は、卑罵語が多くて面白い。
こういう機会でもなければ、こういう語彙は取り扱いにくいので。


ケンカが、口だけで終らなくなり、暴力が用いられると、更にいろんな表現に分かれる。
撲る、叩く、こづく、のほかに、
「どつく」
「どやす」
「しばく」
「はつる」
などとあるようである。(p.202)


「ぶつ」を使わない点では、私も同感である。
この中では、「はつる」は知らない。

私の内省では「なぐる」はグー、「たたく」はパー。
「こづく」は「たたく」よりは弱い。そして、チョキではなく、グーでもパーでも指先でもよく、肩やひじでもよい。

「どつく」は、「なぐる」よりは激しい。
「こづく」が「こ(指小辞)+突く」で、「どつく」が「ド+突く」と推測。[注1]

私の内省では、「どつく」は基本的にグーのみ。
殴る、蹴る、叩くが入り混じったのが「しばく」。「しばく」は、武器を使ってもかまわない。

だから、ボクシングなら「どついたろか」「どつきまわすぞ」が似合う。
もちろん、全ての選手がそうではないが。

「どついたろか」より「どつきまわしたろか」の方が、強めた表現。
「どついてくるりと一回転させることではない(p.203)」は的確な説明である。

「どつきまわすぞ」の方が、「どつきまわしたろか」よりは優しい。
男は実際にするかしないかは別にして、相手に何をしてんねんと伝えたい時にしばしば使う。

なお、「しばきまわす」は言えるが、「なぐりまわす」「たたきまわす」とは言えない。
「しばきまわすぞ」も、会話の中での軽いクッションとして使う。

「どやす」は、私の内省では殴る、叩くの意味合いはない。
口頭できつめに叱るが、しっくりくる。

本文にも「雷を落とす、こっぴどく叱られて油をしぼられる(p.204)」「課長にごっつう、どやされた(p.204)」が記されているが、私の内省ではこちらが一番目の意味になっている。

「はつる」は全く知らないので、引用に頼る。
私の脳内に存在しない語彙なので。


「はつる」もよく使うが、これはもとは皮をはぐことからきたらしく、上前をはねるとか、口銭をとる[注2]とか、という意味にも使う。そのせいでか、
「あたま、はつッたった」
というのは使うが、「尻をはつった」とはいわない。尻は「はたく」である。(p.205)


p.205で「いわす」が加えられる。「いわしたろか」は、必ずしも暴力ではない。
共通語だと、こらしめるが近いが、もう少しやっつける感が強い。




「なぐる」のアクセントは、HHH。
「たたく」は、HHH。「こづく」は、HHH。「ぶつ」は、LH。

「どつく」は、HHH。
「どついたろか」は、HHHHHL。
「どつきまわすぞ」は、HHHHHHL。
「どつきまわしたろか」は、HHHHHHHHL。

「しばく」は、HHH。
「しばきまわす」は、HHHHHH。

「どやす」は、HHH。
「どやされた」は、HHHLL。

「はつる」は推測だが、HHH.。
「はたく」は、HHH。

「いわす」は、HHH。
「いわしたろか」は、HHHHHL。




その5につづく。



[注1] 牧村史陽『大阪方言事典』では、「胴突く」説。

[注2] こうせん:仲介手数料




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