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2017年10月 4日 (水)

『大阪弁ちゃらんぽらん』「タコツル」を読んで その2

その他の「ド+」をみてみたい。
ド美人、ドイケメンというように、基本的にプラスな語彙にはつかない。

だからといって、ドデブ、ドブタ、ドチビ、ドノッポ、ドハゲは言わない。
クソデブ、クソブタ、クソチビ、クソノッポ、クソハゲなら言えるのだが。

「ド根性」は、我々世代では『ド根性ガエル』で有名だが、ド根性はもとは大阪弁。
近松門左衛門が使っていたことからもうかがえる。

「ドツボ」は「土壺」ではなく、「ド+つぼだと私は思っている。
ここでの壺は容器ではなく、滝つぼの「つぼ」のようにくぼんだところ。

ドツボは肥溜。ドツボにはまるは、肥溜に落ちるぐらいひどいことになるということ。
だから、ツボにドがついて罵言にしたのだと思っている。

「どつく」の「ど」も「ド」ではなかろうかという気がする。
「奴を突く」で「どつく」というのは、こじつけ感がある。

最下位をあらわす「どべ」の「ど」は「ド」であろう。
ベベ系語彙の「べ」に「ド」がついた形。

私はベベよりベッタがなじむ。ベベタは、なんか泥臭い。
人によっては「どんべ」とも。なんか泥臭い。

「どんくさい」は「ド+くさい」としたいところだが、「く」の前で「どん」となる音韻論的根拠が乏しい。
「鈍臭い」と表記するのは違和感があるが、これは「ド」ではないのかも。

「どぐされ」というのが、ふと頭に浮かんだ。
90年代半ばのフジテレビの深夜番組で、子供向けヒーローの主題歌なのに「♪どぐされげどーを たおすため」みたいな歌詞だったのを思い出した。

ただ、これは大阪弁ぽくはない。『どぐされ球団』の作者は長崎出身。
『リーガルハイ』の古美門研介は鹿児島出身。だから、九州方言だと推測。

最後に、今さらながら「超ド級」の「ド」は卑罵語ではなく、ドレッドノートをあらわす「弩」。



「ド美人」のアクセントは、、LHLL。「美人」は、HHH。
「ドイケメン」は、LHLLL。「イケメン」はLLHH。

以降、言わない語彙は割愛。


「デブ」は、LH。「クソデブ」は、HHHH。
「ブタ」は、LH。「クソブタ」は、HHHH。
「チビ」は、LH。「クソチビ」は、HHHH。
「ノッポ」は、HLL。「クソノッポ」は、HHHLL。
「ハゲ」は、LH。「クソハゲ」は、HHHH。

「ド根性」は、LHLLL。「根性」は、LHLL。

「ドツボ」は、LHL。「つぼ」は、HH。

「どつく」は、HHH。「突く」は、LH。

「どべ」は、LH。「どんべ」は、LHL。
「ベッタ」は、LLH。「ベベ」は、LH。「ベベタ」は、LHL。

「どんくさい」は、HHHLL。「くさい」は、HLL。

「どくされ」は、LLLH。

「超弩級」は、HHHLL。

それから「ド阪神(p.198)」は、LHLLL。「ドタヌキ(p.198)」は、LHLL。

「ド+」のアクセントは、低起式で語頭から2拍目の後ろに下がり目だが、例外は多い。
「クソ+」のアクセントは、高起式で後項の下がり目から下がる。


その3につづく。



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