『大阪弁ちゃらんぽらん』「ねちこい」を読んで その3
議論をしていて、意見が違っても決して怒らず、冗長な口調で押し返す。堂々巡りでも倦まず、しぶとく食い下がる。 といった例がp.133に出ている。
これは私の語感ではねちこいではない。
ひつこさは出ているが、嫌味を言ってるわけではなさそうなので、粘着質感が少ない気がする。
粘着質が加わっていくと、「しつこい<ひつこい<ねちこい」になる気がする。
共通語形のしつこいより、大阪弁のひつこいの方が、ひつこいと思う。
「こういう人は、コッテ牛のようなものである。(p.133)」
コッテ牛という言葉を知らないんで調べたら、元気な牡牛のことだと。
「おせでもつけどもピリッとも動かぬ。(中略)咽喉もとへくらいついたら(中略)雷が鳴ろうが槍が降ろうが、決して放さない。(p.133)」が、コッテ牛の特徴か。
さっきの人は、ひつこいというよりはしぶとい。
ひつこいよりしぶといの方が、打たれ強さが加わる。また、プラス評価で使える。
女のねちこいのは処理にこまるものである。
私は、とくに同姓のワルクチはいいたかないのでありますが、姑、小姑、ねちこくいびってるのなぞは、男ではできにくいことである。(p.137)
ふむふむとは思うが、女の世界の裏側は見たことがない。
ドロドロやと噂では聞くが、実体験としてはない。
うちは姑によるいびりもなかったので、それは昼のワイドショーの再現ドラマでの世界だと思ってるぐらいの感覚。生で見たら、心の底から軽蔑できる自信がある。
われがわれがで、人を蹴落としたいがゆえにやるのか。暇やなあと思う。
それが快感になっていくから続けているのか。このド変態めっ。
でも、想像の範囲で続けるなら、男でもそんなのはいるような気がする。
木下ほうかさんの役どころを見てるとそういう気がしてきた。
「ねちこい女には、あたまのいいのは、あまりいない。(p.137)」とあるが、仕事はできるというのはおりそうな感じがする。
そして、男もそうだと思う。ねちこいやつは、総合的に見て頭が悪い。
男であっても女であっても、ねちこい嫉妬はただただみっともない。
嫉妬をしても、表に出さないというのが大人のたしなみである。
その4につづく。
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