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2016年12月

2016年12月31日 (土)

『大阪弁ちゃらんぽらん』「ねちこい」を読んで その1

「ねちこい」pp.129-139

私は「ねちっこい」であって、「ねちこい」ではない。
「ねちこい」の強調形として使っているつもりもない。

親(1946生)も「ねちっこい」と言うので、「ねつこい」の方がさらに古いのか。
まあ、促音が挿入されているんだから「ねちこい>ねちっこい」の変化の方が自然だろう。

『日葡辞書』(1603)には「ネツイヒト」が載ってるらしい(p.132)。
田辺氏は岡山弁の「ねつい」も根拠として、「ねつい>ねつこい>ねちこい」を推定している。

手元の『大辞林』にも「ねつい」「ねつこい」「ねちこい」は載っている。
「-こい」は「ひつこい」「めんこい(=可愛い)」「冷やこい」と同様の接辞か。p.131にも同様の指摘がある。

まず、ひっかかるのは、「ねつい>ねつこい」という接辞の変化。
どういう類推が働いて接辞が変わったのか、他の例がないと何とも言えない。

次に「ねつこい>ねちこい」という音韻変化。
「u>i」自体はありうることなんだが、「ねちねち」がいつごろ誕生したのかが気になる。

この推定はまんざらおかしな説ではないとは思っているが、慎重に考える必要がある。
なお、「ねちこい>ねちっこい」の変化には、何の違和感もない。




「ねちっこい」のアクセントは、HHHHL。
「ねちこい」はHHHL。




その2につづく。


2016年12月12日 (月)

『大阪弁ちゃらんぽらん』「いちびる」を読んで その2

おちょくる→いちびる→ほたえる(p.126)
この順番には、若干の抵抗がある。

「おちょくる」には愚弄のニュアンスがあるが、「いちびる」は調子乗ってる感じ。
そして、「ほたえる」はわめいているという叫喚の感じ。

だから、この3つを同一軸で比べることに違和感がある。
明らかに位相が違うと思うんだが。

「ほたえる」は、ただただばか騒ぎしている感が大きい。
なので、相手をからかうというのとはかなり違っている。

「いちびる」も「ほたえる」も、ふざけている感はあるが、両者は別物。
「いちびる」は口頭で挑発(p.125)、「ほたえる」は肉体・動作をともなう(p.123)は割と納得できる。

「ほたえる」は調子に乗ってる時もあるが、そうじゃなく騒いでる時にも使える。
また、必ずしも相手を挑発しているわけではなく、必ずしも愚弄しているわけでもない。

子どもが大声で騒いどったら、「ほたえるな」とは言うけど、「いちびるな」ではない。
そこにからかいがなければ、「いちびるな」ではない。

もちろん大人が大騒ぎしてても、「ほたえるな」。
かぼちゃの祭りは嫌いな人には「ほたえるな」と発したくなるかもしれない。

犬は喜び庭駆け回りやと、「ほたえるな」かも。
それは犬好きかどうかが関わってくるので、人それぞれかも。

さて、「いちびる」は「イチビリ」というように、連用形転成名詞になれる。(p.125)
それに対して、「オチョクリ」や「ホタエ」とは言えない。

これは「いきる(いきってる)」が「イキリ」にはなるが、「いきがる」は「イキガリ」にならないようなものか。もともとの語彙の属性か、そういう人が多いからそういう用法が生まれたのかはよく分からない。



「いちびる」のアクセントはHHHH。
「いちびり」はLLHL。

「おちょくる」も「ほたえる」もHHHH。
「いきる」はHHH。「いきってる」はHHHHH。




この章終わり。




2016年12月 1日 (木)

『大阪弁ちゃらんぽらん』「いちびる」を読んで その1

「いちびる」pp.118-128

私の内省では、日常会話で「いちびる」という基本形は使わない。
動詞として使うなら「いちびってる」、あるいは連用形転成名詞の「いちびり」。

「おちょくる」は、揶揄、嘲弄(p.119)を含み、時に愚弄するまでいくことがある。
それに対して「いちびってる」は、調子乗ってふさげてる感じがする。

だから、ある程度はいいのだが、ある時に相手は爆発する。
「おまえ、なにいちびってんねん」と言って怒り出す。

「いちびる」には「甘えてつけ上がる」も含まれる(p.119)とされている。
これについては、私も素直に首肯できる。

子どもがこの大人なら大丈夫だろうとふざけまくる。
大人もしばらくは寛容しているが、いつまでもやってたら「ええかげんにせえ」とブチ切れる。

大人が子供をいちびる例がp.121に挙げられているが、これは首肯できない。
せいぜい年長者が年少者にやる時は、「からかってる」の方があっている。

「♪はしゃぎすぎてる夏の子どもさ」という歌詞が、真心ブラザーズの『サマーヌード』に出てくる。
歌でのニュアンスはちょっと違うが、字面だけ見れば、これが「いちびる」の典型だと思う。ただし、夏でなくてもいい。

大人がいちびらないわけではない。
でも、私の中では子ども相手にはやらず、大人同士が子どもの頃、あるいは学生時代に戻ってという感じである。

これがしょうもないことであれば「はいはい」と流される程度である。
いちびってる時は騒いでいるから、うっとうしくなって相手が怒ってしまうのである。

ただ、「あいついちびりや」と言う場合は、いちびる度合いが若干おとなしい気がする。
それはしょっちゅういちびってても、今現在いちびってないから。

評価する際、もう少し程度が強くなると「あいついちびってんのんちゃうか」。
その時は腹立ってむかついてても、まだ爆発するほどではない。




その2につづく。





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