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2016年10月

2016年10月30日 (日)

『大阪弁ちゃらんぽらん』「ややこしい」を読んで その3

不景気やと店は「ややこしく」(p.102)なる。
赤字決算や粉飾決算、ブラックやったら「あの会社、ややこしいで」(p.103)

電子レンジの操作が難しい時に、「ややこしィて……」(p.103)
時代を感じる。今なら、パソコンやスマホがややこしいんかもしれない。

若い世代なら、ややこしさを感じないかもしれない。
スマホはできてもパソコンは使わない人がそれなりにいるようだが。

牛肉何百グラム、ナスビ何個いくらという「ややこしい」計算(p.104)をすらすらする。
これも隔世の感がある。今ならレジ、それもバーコードでさっさとすむこと。

「ややこし顔」(p.104)は、ぶさいくだけでなく、しかめっ面も指す気がする。
「ややこしい髪」(p.105)は、天パだけじゃなく、モヒカンやパンチパーマで思う人がいるだろう。

最後に、「ややこしい年齢」(p.106)って、一体どの年代なんやろう。
40代は若いもんとも年寄りともあわんなあ、と言われたことがある。

一理あるが、私のような職業は年中若いもんと顔をあわせている。
しかし、話してる内容は必ずしも分かっていない。

「ややこしい年齢」は若者には使わない気がする。
おっさん、おばはん以上の世代だろう。線引きは世代によって異なるが。



この章、終わり。






2016年10月21日 (金)

『大阪弁ちゃらんぽらん』「ややこしい」を読んで その2

藤本義一サンは、「ややこしい」という語は、
ややこから来てるのとちがうかなあ」
などといっていられた。(p.97)


ややこは赤ちゃんのこと。私の言い方では、「やあこ」で、こっちではめったに使わないが、すぐに使える言葉である。
語源分析というのは好きではないが、これは「おとなしい」と対比すると案外間違ってないような気がする。


牧村史陽氏によると「漸々子(ややこ)」から来ているといわれるが、これはシャレにしても愉快である。(p.87)


明確な根拠はないけれど、この「ややこ」の語源説は支持できそうにない。
直感では「やや」はオノマトペ、「こ」は指小辞のような気がするんで。

赤ちゃんは、昔からめんどくさいものだったんだろうか。
そう考えると、この言葉は女性より男性発信かもしれない。

まあ、赤ちゃんを愛する男がいないわけではないが、愛情を注ぐ度合いは女性の方が大きい気がするんで、不愉快、めんどくさい、関わりたくないにはなりそうにもない。

さて、「わけのわからぬことをいう人」を「ややこしいこと、いう人」以外に、「ゴテる奴」(p.99)という言い方が出てきているが、これは知らない。

聞いたことがないので、アクセントが「LHL」なのか「LLH」なのか、内省がきかない。
「ゴテ助」も使用語彙でも理解語彙でもないが、「LHLL」だろうと思う。




「ややこ」のアクセントは、LHL。
「やーこ」のアクセントも、LHL。



その3につづく。






2016年10月 8日 (土)

『大阪弁ちゃらんぽらん』「ややこしい」を読んで その1

「ややこしい」pp.96-106

うっとうしい、複雑な、うさんくさい、何しとるか、もひとつよう分からん、という状態、とりこみごと、あやしい、不審な、えたいのしれぬ、不愉快な、わずらわしいなどという意味をもっている。(pp.96-97)


ややこしいということばは、ほんまにややこしい。
内省で用例を思い出すと、嫌な場面ばかりなんで、心が病みそう。

不愉快、めんどくさい、うっとうしい、関わりたくない、複雑ががさらに複雑に絡み合ったさま。
思わず誰かを思い出しそうだが、フィクション仕立てでないと書けない話になってしまう。

単独だと、「ややこしい」と言うよりは「ややこしわ」の方がよく使う。
よそ行きの大阪弁だと、「ややこしい」と言ってる、


いつもお金を借りにくるとか、泣き言を並べるとか、ワルクチ、中傷をいいにくる奴、そういうのは「ややこしいのん来よった」であって、彼ら彼女らが口を開こうとすると、前もって、
「ややこしい話やったら、かなわんな」
と釘を打つ。  (p.102)


こういう奴はめんどくさいをこえている。
人間関係をこじらせに来るとしか思えないが、当人に自覚がないのでたちが悪い。


「このややこしい政治献金」「あのややこしい候補者」   (p.103)


こういう表現なら、いい得て妙だと思える。
裏付けがなければ想像に過ぎないが、なぜかすっと理解できる。

こういう時に「どんどん大阪弁を使うべきである」(p.103)なら、激しく同意できる。
大阪弁は情に訴える以外に政治に向かない方言と言われるが、こういうのでは使えそう。

「新聞の社説なんかでも」(p.103)とあるが、これがとびかえば面白い。
不満を抱いている大衆の心をつかみやすいと思うんだが。



その2につづく。



「ややこしい」のアクセントは、HHHLL。
「ややこしわ」は、HHHLL、「ややこし」はHHHL。






2016年10月 2日 (日)

『大阪弁ちゃらんぽらん』「あんばい」を読んで その4

「ソコソコでいこか」(p.93)

そこそこのもんっていうのは、若干高いもん。
私は「そこそこでいこか」とは言わないが、意味は分かる。

そこそこが高いもんを表す用法は、たぶん共通語にはない。
使ってるとしたら、大阪弁を知ってる人だろう。

ただ、「ソコソコのとこやなあ」というのは、決して褒め言葉ではない。
だから、泊まった旅館で女将さんや仲居さんの前で言うと誤解があるので止めた方がいい。

「原稿できましたか」「ま、ぼちぼち」(pp.93-94)

このぼちぼちは、ちょっとずつ進んでいるともとれるし、あんまりすすんでないけどできてないことを伝えるためにとりあえず言うてるんやなともとれる。

「ぼちぼちいこか」(p.94)は二義的である。1つは単純に「そろそろ行こうか」という意味。
アクセントはHLLLが私には合う。

もう1つは、徐々や少しずつにというニュアンスではなく、「そろそろ本気出せよ、気合い入れていくぞ」をやんわり言ってる。アクセントはLLHLが私には合う。




ぼちぼちのアクセントはLLHL~HLLL。
LLHLの方が大阪弁っぽい感じが強い。

そこそこのアクセントはLHLL。


この章終わり。




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