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2016年9月 8日 (木)

『大阪弁ちゃらんぽらん』「あんばい」を読んで その2

ニュアンスで言外の意味を察知しなければならぬことも多い。
―例によく引かれるのは花街(いろまち)の「へ、大きに」である。(p.87)


「おおきに(/おーきに)」は、「大きに有り難し」からだという説がある。
それが略されて、「ほんまありがとうな」ってところだろうか。

「すごいきれい」に出てくる修飾語としての「すごい」が大抵何でも表せるのと比べたら、「大きに」は強調表現だが一義的になってしまっている。

「おおきに」っていうのは、商売人しか似合わない。
いろんな意味での店を出る時なら、すっと入ってくる。

そうでない人だと、なんか嘘くささを感じる。
それは大阪弁のテンポそのものが昭和でなくなっているからかもしれない。

一義的とは言ったものの、「ありがとさん/また来てください」か「もう来んといて/お断りやわ」かは、文脈というより目で分かるもの。特に水商売の女の目。

言葉の形式だけ見れば、両義があるのであいまいと言えるかもしれないが、人の目は案外あいまいではない。
とんでしまってない限り。

さて、商売人という流れで、「商い」についての引用を。


商いは牛のよだれ。
商いは「飽きない」ということ。
商人の卵たる丁稚は、まずそんなことを叩きこまれる。
「のんびり、あせらず、ゆっくり、ぼちぼち、飽きないで商いをする」
それが、商売のコツである、と教わる。      (p.88)


あいにく、私は商売人ではないもので、この感覚は会得できない。
将来、起業しようという気も全くないので、この感覚を身につけることはない。

そういや、3年半ぐらい前にこんなネタを書いたなあと思い出す。
そして、オチが分からない人のために、無粋な解説も書いたなあと。


飽きるというのはリハビリの大敵である。
だから、たこ焼き屋でも始めてみようかと思う。
             (「ジムと脳炎とバイク」『福盛貴弘の脳炎日記』)


たこ焼き屋を始める。
商売なんで、商いだけに飽きない。
             (「ジムと脳炎とバイク」2013-03-13からのリンク『福盛です。』)


このネタを書いたころは、大阪弁ちゃらんぽらんを読む前のこと。
だから、著書から得た知識ではない。ということは、自然と体に沁みついていたのか。

そういや、あっちこっち丁稚の丁稚は、ちゃんと教わってたんやろうか。
きー松は一時期小番頭になったから少しは分かってたんかも知らんけど。

かん松とし松の独立編でもできりゃ、教わってたことが分かるけど、たぶん無理やろ。
五郎造に代わって利造やったら、おもろいかも。

「あっちこっち丁稚」見たいなあ。DVD出してくれたらええのに。
でも、たぶん無理やろなあ。昭和の吉本、ややこしすぎるからなあ。




「おーきに」のアクセントは、LLHL。





その3につづく。












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