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2016年4月

2016年4月28日 (木)

『大阪弁ちゃらんぽらん』「あほ」と「すかたん」を読んで 補遺2

「あほが見るぶたのけつ」。これには、ばかバージョンはないから、東京では言わないんだろう。
「あっち見てみ」と言われて、なんもない時に子どもが言う、それこそあほなやりとり。

子どものころからよく聞いた。嘉門達夫さんは歌にしていた
子どもがやりがちなしょうもない会話を集めた歌。しょうもないあるあるやった。

実際の発話では、「見る」は「ミールー」、「けつ」は「ケーツー」。
そして、アクセントでも対句に。LHL HHLL LHL HHLL。

こういうのやから、子供は好きなのかもしれない。
なお、ええ大人は使わない。少なくとも私はそう思う。

あほを使った強調形。「あほみたいに暑い」「あほみたいに高い」。
これも「ばかに」や「ばかみたいに」より「あほ」の方がしっくりくる。

気温や値段にもあほを使う。よほど気に入らんのんやろう。
このあほにも愛嬌があるとは思えない。気温や値段に気をつかう必要はないんで。

最後に「あほは死んでも治らない」。東京は「ばかは死ななきゃ治らない」。
「あほは死ななきゃ~」やと、大阪ぽくない。「ばかは死んでも~」は混ざった感じ。

「死んでもせーへんわ」といった言い方からも「あほは死んでも~」がしっくりくる。
ただ、死んで生まれ変わった時には直してください。藤山寛美さん以外は。






たぶん、あほの話は終わり。







『大阪弁ちゃらんぽらん』「あほ」と「すかたん」を読んで 補遺1

「あほ」話は終わらせたはずだけど、もう少し書きたいことができたんで。
というか、「あほ」はなじみがありすぎるんで。

私は「あほとはさみは使いよう」。東京は「ばかとはさみは使いよう」。
私は「あほの一つ覚え」。東京は「ばかの一つ覚え」。

大阪の「あほ」と東京の「ばか」の違いはこういうところにも。
でも、「正直者はばかをみる」は、あほでは言えない。

「あほと煙は高いとこにのぼる」。
東京は「ばかと煙は高いところが好き」。

「ばかと煙は高いところにのぼる」はちょっと違和感がある。
これは両者が混ざったんちゃうかと思っている。

あくまで直感で文献的裏付けはない。
でも、「高いところが好き」という冷めた言い方は東京弁っぽい。

それに比べて「高いとこにのぼる」は、ほんまにのぼるイメージが強い。
舞い上がってるのを揶揄した感じは「~好き」の方が似合う。

「高いとこにのぼる」と言われると、子供の頃、実際に煙突にのぼるイメージがあった。
高所恐怖症の私はあほやないと安心していた。

なお、高いところで仕事をしているとび職はすごいと思っている。
彼らは決してあほではない。

もうちょいつづく。








追記

これらの慣用句は、他の地方だと異なるんだろうか。
「たわけとはさみは使いよう」「ほっこと煙は高いところにのぼる」

あったら興味がある。











2016年4月27日 (水)

『大阪弁ちゃらんぽらん』「えげつない」を読んで その2

「えげつない」を説明しようとするとえげつない事例にふれざるを得ない。
ここでは書けないことも多すぎることに気づく。

世でいう残虐な事件はすべて「えげつない」で言える。
男と女の愛憎のもつれがからむとなおえげつない。

p.46に出てくる話。夫婦別れした女房が、家にあるありとあらゆるものを持ち逃げした。
家財道具だけでなく、便所のスリッパや友人が外した金歯まで。

これはえげつないとしか言いようがない。
でも、笑える。

事務所にトラックで突っ込むのは、えぐいかえげつないか微妙なところ。
でも、バキュームカー逆噴射なら、えげつない。

怖いかどうかは抜きにして、下がからむとえげつなくなる。
だから、嫌がらせになるんだろうが。

いわゆるブラック企業は、えげつない商売をしていると言える。
ただ、商売のすべを知らない私が、公の場では特定の企業に向けて言うことはない。

さて、この章には「渋い、地味、高尚、上品」をあらわす「こうと」という大阪弁が紹介されている(p.49)。
私はこの言い方を知らない。

渋ければ「こうと」、反対は派手、度を越えたらえげつない。
「こうと」は言わないけど、ど派手がえげつないはよく分かる。

でも、今くるよさんの衣装はえげつないとは称しない。
あれは、「派手やなあ」と笑ってすませるんで。



この章、終わり。



追記

「えげつない」のアクセントはHHHLL。
「こうと」は使わないから内省がきかない。もし言うならHHH。








2016年4月24日 (日)

『大阪弁ちゃらんぽらん』「えげつない」を読んで その1

「えげつない」pp.42-51

※「えげつない」についてなので、ほんまにえげつないネタも含まれております。
ご注意の上ご覧ください。
※さすがにWeb上の記事なんで、えげつない内容の注釈はやめておきます。
もし、活字になる機会があれば、全て書きます。



下品。下劣。悪逆無道。不快。
「えげつない」を使う時には、そんな状況しか思いつかない。

牧村史陽氏の翻訳では「濃厚な、辛辣な、酷烈不快」。
前者2つでは私は使わない。最後の1つが適切かと思う。

極悪非道な殺人事件を起こした犯人には「えげつなすぎるわ」。
DV夫や鬼嫁や鬼姑には「えげつないやっちゃなあ」。

少々行動がおかしい程度では使わない。
暴力的に、あるいは精神的にひどい攻撃をしている奴には、発してしまう。

あくどい商売をする商売人には「えげつない商売やなあ」。
これは著書でも使われているが、納得できる使い方。

ここには書けないようなド下ネタなら「えげつないわ」。
なんぼなんでもそれ以上は言うなという時に言うだろう。

だから、ここには書けない漫画やアニメ、写真や映像でもそう言う。
相当ひどい猥褻さに対して、そう評価する。

昔は、ポルノ映画の看板や、ストリップ劇場の宣伝でもえげつないのがあった。
もちろん、エロ系だからだが、エロなんて軽い言葉で片付けられないレベル。

子どもの頃は意味が分からない表現は、結構たちが悪い。
白黒や聖がああいう意味で使われるのは、ある程度の歳になってから知った。

東京の踊り子小屋から見たら、猥褻極まりないもんだっただろう。
まな板というえげつなさの進出はこたえたというのは本で読んだ。[注]

「やらしい」を超越したところに「えげつない」がある。
まさに最低のレベルである。ここに愛嬌があるかないかはかなり個人差がある。

「えげつなあ」で笑えるのは、八ちゃんこと岡八郎さんのネタぐらい。
吉本新喜劇で、自分のケツの臭いをかいで「くっさあ、えげつなあ」。

たぶん自虐やから笑えるんやろう。
他人の臭いやったら、最低レベルの臭いにおいという中傷になるんで。

Photo


[注]

大阪人が書いた本ではないので、上述のように「えげつない」と言ってるわけではない。






2016年4月19日 (火)

『大阪弁ちゃらんぽらん』「あほ」と「すかたん」を読んで その4

「すかたん」というのは、何とも難しい。
しょっちゅう失敗する奴のことを言うんだが、ちょっとかわいげがないと。

だまされたという意味での「すかたんくろた」は、私は使っていない。
愚かな相手にのみ使う言い方である。

「すかたん」は、女性には使いにくい。
この言葉は男性の方があってると思う。

教えてもでけへんのんは、「すかたん」やのうて「あほか」と言うてしまう。
なんか自分でやってみたけど、上手いこといかんかったが適切かもしれない。

テストで点数がとれなかったら、「あほか」かも。
ケアレスミス連発なら、「すかたん」かも。

最近、「すかたん」や奴を見てない。
大阪に住んでいないからかもしれない。

だから、最近使うことがないし、聞くこともない。
だから、内省がききにくくなっているのかもしれない。

「どんくさい」とはちょっと違う。
歩いててがんと机に脚をぶつけた時は、「どんくさー」で、「すかたん」ではない。

ことがうまく運んでない奴、不器用な奴には「どんくさいのお」が似合う。
アレンジして、男に「どん・くさお」「どん・くさこ」はよく使う。

「まぬけ」に近いが、なんか違う。
「まぬけ」と言う相手の方が、かわいげがないように思う。

私の中で「すかたん」が似合うのは、『刻(とき)うどん』の喜六。
清八がうまいこと1文ごまかせたのを見て、真似したが失敗したのが喜六。

この失敗はかわいげがある。
ただ、最近「すかたん」を使ってないから、私の中で過去の表現かも。

今の私は、喜六のことは「すかたん」より「ぬけさく」と言いたい。
「ぬけさく」は「まぬけ」よりはかわいげがあるんで。



以上、この章終わり。


<追記>

若者言葉の「やばたん」の「ーたん」は、「すかたん」の「ーたん」を同じ気がする。



「あほ」のアクセントはLH。「あほが」はLHLなんで低起尾高型。
「すかたん」はLLHL。




2016年4月10日 (日)

『大阪弁ちゃらんぽらん』「あほ」と「すかたん」を読んで その3

「昨日飲みすぎたわ」
「あほやなあ」

p.36で述べられてるように、侮蔑、叱責、嘲弄、憫笑はなく、無造作に言う。
あいづちの一つで口癖になっている。当然悪意もない。

「朝までゲームやってて寝坊しました」
「あほか」

「あほか」は軽く怒ってるけど、「あほやなあ」には怒りはない。
どっちの内容に怒るかは人によって変わると思う。

「夜通し映画見てたんで、眠たくて」
「あほちゃうか」

「あほちゃうか」も怒ってない。
「ちゃう」が入るだけで、かなり柔らかくなる。

冒頭の「あほやなあ」は「しっかりせえよ」ぐらいで軽く心配してる。
「あほか」は軽く怒ってる。「あほちゃうか」は心配はしてない。

ちゃんとやるべきことをやってこなかったら「あほか」やろう。
そこで「あほんだら」は使わない。摂津方言ではない気がする。

「あほめ」と言ったら芝居がかった感じ。だから、使わない。
最近「どあほ」というゲスな相手は周りにいない。幸せなことである。

「チャック開いてるで」
「うわ、ほんまや。あほちゃうか」

相手に言うだけでなく、自分自身にも使える。
行動の愚かさを自虐的に言ってるようだが、そんなに気にしてない。

全くもって無駄なことを振られたときは「あほらし(い)」。
私は「あほくさ」よりは「あほらし」の方が使っていると思う。

両方使っているのは内省で分かる。
「あほくさ」の方が投げやりに、「あほらし」の方が若干冷静に見渡して言っている。

先が見えない仕事にしても、急にモノマネをやれと言われても。
この場合は、「あほらしいてやってられんわ」。

やっても無駄なことをやることへの不満とくだらなさを言っている。
直接相手には伝えないので、確認要求にはならない。

最近、最も言ってる「この人、あほや」はテレビ越しでさんまさんに。
笑いだけを追求したことに対して「おもろい」の最上級でほめている。

「あほ」に愛嬌があるというのは一理あるが、必ずしもそうではない。
ただ、褒める「あほ」は、「バカ」にはない用法だと思う。










v

2016年4月 6日 (水)

『大阪弁ちゃらんぽらん』「あほ」と「すかたん」を読んで その2

p.34に「あほ・ばか・まぬけ・ひょっとこ・なんきん・かぼちゃ・土びん茶びん・禿茶びん」が載っている。
いつの時代にもあくたれ口というのは、あるものだ。

私が子供の頃は「あほ・ばか・ちんどんや・おまえのかあさんでべそ」だった。
アクセントは「LH HL HHHHH LLLH HLLL LHL」。

本人ではなく母親を攻撃するのはたちが悪い。
「サ○○○○チ」よりはましだが。

「ひょっとこ・なんきん・かぼちゃ」は容姿への攻撃。
「土びん茶びん禿茶びん」も容姿への攻撃。
それに比べて「ちんどんや」はどこを攻撃しているのかわからない。
やかましいという意味なんだろうか。

「土びん茶びん禿茶びん」は、先の言い回しから独立していた。
そして、悪口で使うより、指さしゲームで使っていた。

「どびん」と言って誰かを指さし、指された人が「ちゃびん」と言って誰かを指さす。
指された人は「禿茶びん」と言って誰かを指し、指された人が「土びん」と言って誰かを指さす。
ひたすらこれを繰り返すという恐ろしく単調なゲーム。
スピードを上げてとちるのを待つという遊び。
今やったら楽しいのかもしれないが、積極的にやりたいとは思わない。

蛇足だが、禿については数え歌があった。

一つ二つ禿がある 三つみにくい禿がある 四つ横にも禿がある
五ついつもの禿がある 六つ向こうに禿がある 七つ斜めに禿がある
八つやっぱり禿がある 九つここにも禿がある 十でとうとう禿茶びん

ひどい話である。今でもこういう数え歌は生きてるんだろうか。

さらに蛇足だが、「あらびんどびんはげちゃびん」。
ハクション大魔王が魔法をかける時のことば。

つくづくあほな時代やったなと、しみじみ。







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